津波避難について



平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、大きな津波が発生し、多くの命が奪われました。この地震は典型的なプレート境界型地震で、その規模(範囲)が、それまで想定されていたものよりずっと大きかったことが、ここまで被害を大きくした遠因であったと考えられます。地震発生後には、「想定外」ということも言われましたが、現在生きている世代が知らないだけで、過去にも今回と同じような大津波が発生していたことが分かっています。
東海地方でも、東海・東南海・南海の3地震が連動して発生する危険性も指摘されています。従来は、その規模はM8.7と想定されていましたが、今回の東日本大震災の規模の大きさを鑑みて、M9.0に上方修正されました。これに基づき、三重県は国(中央防災会議)に先駆けてM9.0の3連動地震発生時における津波予測シミュレーションを行い、その結果を公表しました。

シミュレーションは、海岸の防潮堤が機能した場合と機能しなかった場合の2ケースで実施されています。

現在の防潮堤は、伊勢湾台風での高潮被害を受けて高潮対策用に設置されたもので、その耐震性等は十分ではないと考えられています。また、建設後40年前後が経過していますので、地盤沈下や堤体内部の空洞化なども指摘されています。したがって、防潮堤があっても機能しないことを想定して対策を立てておくことが必要です。

  三重県が公表した津波浸水予測図

 

   【平成23年度版】…M9.0想定

 

四日市市では、三重県の公表した津波浸水予測図に基づいて、四日市市津波避難マップを作製し、市内全戸に配布しました。

   四日市市津波避難マップ

 

伊勢湾内は、伊良湖水道で津波のエネルギーが減衰される上、湾内の水深が浅いため、外洋側ほどの大きな津波は来ないとされており、シミュレーションでも、そのような結果になっています。羽津地区の海岸部に到達する予想津波高さは約3mとなっています。
しかしながら、シミュレーションはあくまでシミュレーションであって、その前提となる条件が違えば予測とは違う津波が来ることになります。
浸水予測範囲も感覚的に納得できない部分もあったりします。
こうした不確定要素を考慮して、四日市市津波避難マップには、安全圏と考えられる標高5mのラインが表示されています。

津波避難は、とにかく、高い所に逃げることが鉄則です。羽津地区の場合は、西側が丘陵になっていますので、先ずは5mラインより西を目指して避難してください。

道路には、所々に街区三角点や街区多角点が設置されており、その高さが測量・公開されています。これらの公共基準点とその高さを記載しておきますので、自宅近辺の標高の目安としてください。

   公共基準点の高さ・位置

 

津波避難ビルの指定も順次行われています。平成25年5月1日現在、羽津地区内では以下の施設が指定されています。

但し、これらの施設は逃げ遅れたときにやむを得ず逃げ込む施設です。上記のように先ずは西に逃げることを優先してください。